※微ネタバレ 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の主人公は常にロケットだった...? 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』感想 

 ゲームブログとタイトルにありながらも、一発目の記事は映画です。仕方ないじゃないか見てしまったのだから、感動してしまったのだから。

というわけで、今回は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』の感想を少し。公開からかなり日数が立っているので、今更感がありますが、一応ネタバレ注意です。

ジェームズ・ガンはやっぱり天才なんだなって

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』はどこをとっても面白い、サイコーのエンターティンメント映画だなって。

 アクションは切れのある動きとキャラクターの個性が反映されていて見ごたえ十分だし、シリアスなシーンに差し込まれる小粋なジョークのおかげでキャラクターたちが輝いてるし、キャラクターたちが各々の過去を乗り越えて前に進んで行く姿は感動間違いなしの最終章にふさわしいものだし。

 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』という作品は、広大な宇宙でさえ受け入れてくれなかったはぐれ者たちの物語であって、そんなはぐれ者たちの集まりであるから観客は共感出来て、感動できるのだということを完全に理解した構成になっている。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を一作目から監督してきたジェームズ・ガンはやっぱ天才だ。

 

ロケットの暗い過去に切り込むシリーズ最終章の物語

  本作の主人公は”スターロード”ことピーターではなく、”アライグマ”のロケット。物語序盤で襲撃を受けたロケットは瀕死の重傷を負う。それと同時にロケットの体内に仕込まれていた”キルスイッチ”が始動する。仲間の危機を救うため、ガーディアンズのメンバーたちは、ロケットの創造主である”ハイ・エボリューショナリー”に戦い挑むことになる。

 ロケットを救うための戦いを軸に、ロケットの過去が深堀されていく。ハイ・エボリューショナリーの実験動物として、拷問ともいえるような実験を受けていた過去。過酷な実験の唯一の心のよりどころであった友の死。そんな悲惨な過去を仲間たちと共に乗り越えてゆく。まさしくロケットのための映画。

 ジェームズガン監督は一作目からロケットを中心に描くこと考えていたとインタビューで答えてる。それを踏まえると一作目も二作目も、常にロケットは裏の主人公として存在していたようにも思える。

 一作目では、もう一度仲間や友達というものを受け入れる。二作目では、それが家族へ。しかし、友の死や実験によって気づけられた自尊心などは克服されていなかった。それに『VOLUME 3』で決着がつくわけだ。今作の後に前二作をもう一度鑑賞するとロケットにより愛着がわくはず。

ロケットと音楽の関係性に要注目

 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』では、ピーターがヨンドゥに誘拐される前の70年代、80年代の洋楽がBGMとしてチョイスされている。そしてこのBGMがキャラクターの心情を移す鏡として機能を果たしているのも『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の魅力だと思う。

 本作では、さらにこの音楽を深堀して重要なテーマとなっている。”スターロード”ことピーターとガーディアンズのメンバーの間にも常に音楽によるつながりがあったが、『Volume3』ではロケットと音楽のかかわりが重要なものとなっている。

 物語導入でロケットがRadioheadの 『Creep』を流す場面があるが、今までの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』では考えられないような暗い音楽である。もっと言えばピーターの好みとはまるで異なる音楽であり、ロケットの選曲はどこか陰鬱な心情を感じ取れる。

 物語中盤ではロケットとハイ・エボリューショナリーの間にも音楽によるつながりがあることが明示され、ロケットと音楽の間には暗い隔たりがあることがわかる。そんなロケットがエンディングで音楽とどう向き合うのか、ぜひ本作を鑑賞してみてほしい。

サウンドトラックはアマゾンなどで発売中



ガーディアンズの冒険はこれでおしまい?

 映画公開前からジェームズガン監督は「今のガーディアンズメンバーが共に冒険するのはこれで最後」と発言していることからもわかるように、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は今作で一度区切り。 

第一作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が発表された当時のマーベルファンの反応は「え…誰?」といったところ。

 そう、コミックの”ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”は映画化されるほど人気ではなかったのですよ。

 しかし、2014年に第一作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が公開されるや否や、宇宙のはぐれ者の集まり”ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”のメンバーたちは、一躍人気者へと相成りまして。

 そんな彼らの冒険が見れなくなってしまうのは心苦しいですが、キャラクター達が"それぞれの道"に向かっていく前向きなエンディングには心打たれました。特に蘇ったガモーラとピーターの関係には、かなり衝撃を受けました(良い意味で)。おそらく、ほかのマーベル映画ではできなかったんじゃないかな。

 

 ですが、”今の”ガーディアンズメンバーが共に冒険するのが最後であって、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーというチームがなくなったわけではないのがミソです。

 

 ハイ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーはまだ終わりません。(多分)

 

 少なくともピーターの物語はまだまだ続きます。”スター”でも”ロード”でもなくなった”ミッドエイジクライシス”となったピーターが今後どのようにしてマーベル世界で活躍するのか気になるわけで。

ということで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVOLUME 3』面白かった。

つっぎはたぶんゲームについて書きやす。